1956年に創業して以来、熱処理を専門にさまざまな熱処理炉を製造してきたパーカー熱処理工業。同社が手掛ける熱処理炉とその特徴、企業情報、設計から導入、メンテナンス・サービスについて調査しました。熱処理炉をご検討の際にはぜひお役立てください。
パーカー熱処理工業は、さまざまな熱処理炉をラインナップしていますが、特に注目されているのが「全自動真空熱処理装置ICBP(低圧浸炭処理設備)」です。真空浸炭炉は環境負荷が小さいのが特徴。従来と比較しても省エネルギー、CO2大幅削減、高効率炉、省メンテナンスに貢献します。
連続ガス浸炭炉から真空浸炭処理炉への転換は世界的な流れになっています。同社では、1990年代に欧州の技術を導入して装置の基礎研究を行い、量産型浸炭炉を国内の各メーカーに供給してきた熱処理炉メーカーです。
熱処理炉による加工では、処理後の品質が大事です。パーカー熱処理工業では、各工場に保有している熱処理炉で実際に熱処理加工を試すことができます。
熱処理専門のメーカーとして培ってきた知見や技術力によって、金属への熱の与え方、奪い方、温度、処理の時間などの細かな調節や制御が可能。できあがった製品を分析・品質チェックした上で、その製品が作れる状態の熱処理炉を導入できるのが強みです。品質をクリアしてから炉を購入・操業できるため、生産効率もアップすると言えるでしょう。
パーカー熱処理工業は表面処理ができる熱処理炉の種類が豊富で、取り扱っているすべての炉で試作が可能です。新しい炉へと交換する時に気になる、環境面への配慮やコスト削減についても相談にのってもらえます。
そのほか、摩擦・摩耗試験やコーティングのテストも可能。熱処理における必要な周辺機器や熱処理に利用する工業薬品についても造詣が深い企業です。
真空熱処理ラインには、異常を事前に感知し、不具合が起こる前に対応できる予知保全遠隔監視システムを採用。熱処理設備の設備稼働状況や生産状況、メンテナンス状況を遠隔地から監視できるため、各種警報の把握や遠隔地にいながら的確な対応を指示することが可能です。
また、パーカー熱処理工業にはシステムエンジニアが在籍しています。システムに関する問い合わせの際に対応に時間がかかったり、別の業者とのやり取りが発生したりすることがありません。自社でトータルサポートをしてもらえるため、安心して長く付き合えるメーカーだと言えるでしょう。
1990年から環境問題やコスト削減に配慮した真空熱処理装置ICBPの技術研究を続けているパーカー熱処理工業。熱処理炉の製造をはじめ、製品の試作やテスト、周辺機器の販売、工業薬品の提供まで、熱処理プロセスのノウハウを活かして多彩なニーズに応えられる企業です。
トップページでは、日本工業炉協会の正会員の中でも、サポート体制が整っており、省エネ事業を行っている熱処理炉メーカー3選を掲載しています。失敗しないためのメーカー選びの参考にしてください。
メーカー選びに困らない!
信頼できる熱処理炉メーカー3選を
チェック
種類 | 炉名 | 温度 | 加熱方法 |
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真空浸炭炉 | ICBP FLEX | - | - |
ICBP NACO | - | - | |
ICBP ECO | - | - | |
真空熱処理設備 | 単室真空炉 | - | - | 雰囲気炉・連続炉 | ピット式ガス窒化炉 PCGN™型 | - | - |
連続オーステンパー処理設備 | - | 電気、ガス | |
全自動熱処理炉CAFQ シールドクエンチタイプ | - | - | |
真空パージ式 低温ガス浸炭窒化設備パソナイト | - | - | |
トレイバッチ式多目的熱処理設備 | - | 電気、ガス | ガス窒化炉・ガス軟窒化炉 | ピット式ガス窒化炉 | 600℃ | GNe型:電気、GNg型:ガス |
バッチ式ガス軟窒化炉 CAFQ型 | 600℃ | 電気、ガス | 溶融塩設備 | 連続式オーステンパー炉 ZAMS | - | - | 流動層設備 | パイロダイン炉PCF | - | - |
流動層熱処理炉 FLUID BATH | - | - |
会社名 | パーカー熱処理工業株式会社(PNK) |
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創業年月日 | 1956年11月 |
本社所在地 | 神奈川県川崎市川崎区田町3丁目13番10号 |
営業時間 | 8:30~17:15 |
電話番号 | 044-276-1584 |
URL | https://pnk.co.jp/ |
2023年5月末時点「日本工業炉協会」の正会員である企業113社の中から熱処理炉を扱っているメーカー58社を抽出。その中でサポート体制について公式サイトに明記されている25社から、令和4年度「先進的省エネルギー投資促進支援事業」の対象であった3社を掲載。そのうえで、おこないたい処理方法別に分けて、それぞれの企業の強みや特徴を紹介しています。省エネにつながり、長期的に付き合える熱処理炉メーカー選びの参考にしてください。
※選定基準
2023年5月末時点、「日本工業炉協会」(※2)の正会員一覧に掲載されている企業全113社を調査。すべての企業の中で「熱処理炉」を製造しているメーカーは58社ありました(焼入・焼戻炉(真空炉・浸炭炉含む)、焼きなまし炉(焼鈍炉)、焼きならし炉(焼準炉)、窒化炉を「熱処理炉」と定義しました)。
58社のうち、メンテナンスやアフターフォローをおこなっている旨を公式HPに明記していたメーカーは25社でした。さらに、25社の中から令和4年度の「先進的省エネルギー投資促進支援事業」の対象となっているメーカーのみ3社を選出しています。
パーカー熱処理工業…3社の中で扱っている表面熱処理炉の種類が最多。
東洋炉工業…3社の中で唯一、黒化処理炉を扱っている。
大同特殊鋼…3社の中で企業オリジナルの炉の種類が最多。
※1 参照元:省エネルギーセンター「平成29年度省エネ大賞[省エネ事例部門]受賞内容」PDF(https://www.eccj.or.jp/bigaward/winner17/pdf/e1.pdf)
※2 参照元:日本工業炉協会 正会員一覧(https://www.jifma.or.jp/mem-search/official-lineup/)