チャンバー型の熱処理炉について
コンパクトながら確かな熱処理ができるチャンバー型熱処理炉。高温の熱処理が可能で、熱処理工場や実験室に導入されています。ここでは、チャンバー型熱処理炉の製品事例をまとめました。
チャンバー型熱処理炉とは?
コンパクトである
まずチャンバー型熱処理炉のメリットとして挙げられるのが、コンパクトなサイズ感です。高温の熱処理が可能ながら、卓上に設置できるタイプもあります。
安全性が高い
チャンバー型熱処理炉の中には、過加熱を防止する安全装置や鋼板による周辺機器の破損防止設計などの安全性の高いタイプもあります。
設置場所の制約が少ない
取り扱いメーカーによって異なりますが、サイズやスペックなどの面でフレキシブルに対応しているため、設置場所による制約が少ないのも、チャンバー型熱処理炉のメリットです。
チャンバー型熱処理炉の製品事例
Nabertherm GmbH社製のチャンバー型熱処理炉
Nabertherm GmbH社製のチャンバー型熱処理炉(株式会社マツボーが日本国内の代理店)は、最大10,000リッター(2mWx2mHx2.5mD )と最大1300℃に対応する製品です。簡易的な無酸素熱処理にも利用でき、揮発性物質や溶剤に対応したタイプもあります。
またコンパクトな設計も、 Nabertherm GmbH社製のチャンバー型熱処理炉の特徴です。加熱方式は電気とガスが選択でき、用途や環境に応じてフレキシブルに対応します。机の上に設置できるコンパクトなモデルから大規模なモデルまで対応し、熱処理炉の状態をオンラインで監視できるアプリも提供されているため、離れていても状態をチェックができます。
CARBOLITE GERO社製のチャンバー型熱処理炉
主に実験室に向けたチャンバー型熱処理炉を提供しているCARBOLITE GERO。実験室のデスクに設置できる卓上型から高い温度に対応した高機能の製品まで、幅広く取り扱っています。
実験室用のチャンバー熱処理炉は、材料の熱処理や灰化、アニール、カーボンナノチューブ製造、焼結などに幅広く使えます。均一に炉内を加熱できるため、加熱具合のバラつきを防止できる製品です。
チャンバー型以外にも熱処理炉の基礎知識をチェックしよう
設置しやすく、「手軽に扱え、安全面が配慮されているチャンバー型熱処理炉。使いやすさと機能性を兼ね備えている製品です。「設置場所が限られている」「卓上に置けるコンパクトサイズが欲しい」「簡易的な熱処理で十分だ」という場合には、チャンバー型熱処理炉を検討しましょう。
当サイトでは、熱処理炉を導入するために知っておきたい役立つ情報を掲載しています。導入前に、以下のページもぜひ参考にしてください。
あわせてよく読まれている記事
熱処理炉に求める効果から選ぶ
おすすめの熱処理炉メーカー3選
「日本工業炉協会」の正会員である工業炉メーカー112社のうち、熱処理炉を扱う62社を調査。
その中から、自動車業界、半導体業界、航空宇宙業界に必要な熱処理方法からメーカーを分類し、各社の熱処理炉の強みや特徴を紹介します。熱処理炉に求める効果から、自社に適した熱処理炉を選んでください。
合金鋼やステンレスなどの
耐摩耗性や耐疲労性を
高めたいなら
パーカー熱処理工業
※画像引用元:パーカー熱処理工業公式HP
(https://pnk.co.jp/)
おすすめの理由
表面熱処理に
特化した炉を扱う
- 合金鋼やステンレスの窒化技術において特許を取得(※1)しており、耐食性を落とさずに耐疲労性や耐摩耗性を高める熱処理炉がある
- 60年にわたる表面熱処理の経験を基に、省エネと高精度を追求した独自技術の開発を通じて品質向上を支援
表面処理ができる熱処理炉例
- 真空浸炭炉「ICBP NANO」
- 雰囲気制御式ガス窒化炉PCGNe
など
(※2 ともに省エネ補助金対象)
パーカー熱処理工業の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
電話で問い合わせしてみる
アルミニウムやマグネシウム
の軽さと高強度を
両立させたいなら
北陸テクノ
画像引用元:北陸テクノ公式HP
(https://www.h-techno.com/)
おすすめの理由
アルミ熱処理に
特化した炉を扱う
- 最大85℃の高水温で水冷することでアルミニウムやマグネシウムの歪みを減らしながら強度を高める熱処理が可能
- 冷却水を常にクリーンに保つことで不純物の付着を低減でき、素材本来の特性を保持しつつ品質の高い製品づくりに貢献
T6処理ができる熱処理炉例
- アルミニウム、マグネシウムのT6熱処理炉
- アルミニウム、マグネシウムの連続T6熱処理炉
北陸テクノの
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
北陸テクノに
電話で問い合わせする
耐熱合金やチタンなどの
高温強度や耐食性を
高めたいなら
大同特殊鋼
画像引用元:大同特殊鋼公式HP
(https://www.daido.co.jp/)
おすすめの理由
耐熱処理に
特化した炉を扱う
- 航空宇宙業界などで使われる非鉄系金属に対して2000℃レベルの高温での真空熱処理ができる熱処理炉がある
- 独自の研究や開発を行っており、高温化で利用される金属に対する知見があることから高温強度や耐食性を高めるための技術提供ができる
耐熱処理ができる熱処理炉例
- ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH
- 急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN
など
大同特殊鋼の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
大同特殊鋼に
電話で問い合わせする