メンテナンスを重視したより良い設備の開発をおこなっているエコム。この記事ではエコムが取り扱っている熱処理炉の種類や会社の特徴をまとめました。導入の際はぜひ参考にしてください。

エコムでは乾燥炉、アニール炉、焼鈍炉、焼成炉、脱臭炉、硬化炉、バッチ炉、保持炉、溶解炉、IR炉、連続炉、アルミ溶解炉、アルミ熱処理炉、アルミ保持炉、工業炉、加熱炉と、多彩な工業用炉を扱っています。
中部電力株式会社と共同でコンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉「EC HYBRID 2」の開発をするなど、省エネ・省スペースでより使いやすい製品の研究・開発も積極的に行っています。
エコムでは規格品を販売するのではなく、お客様のニーズにあったオーダーメード設備を提案しています。
高速熱風炉、IR連続炉のほか、4台のテスト機を常設しているため、経験豊富なスタッフと共に加熱テストを行うことも可能。適切な熱処理条件を導き出すためのサポートも行っています。
「メンテナンスセミナー」「省エネセミナー」など実際に現場で実技を学ぶこともできるため、はじめて熱処理炉を導入する企業でも安心して運用できるでしょう。
「メンテナンスこそがコア事業である」という認識を持って、設備のメンテナンスを重視しているエコム。不具合が起こりにくく、使いやすく、修理しやすい設備をつくり上げることにこだわっています。
また、緊急時にはすぐに駆け付けられるような体制をとっているため、万が一の事故やトラブル時にもすぐに連絡が可能です。エコムでは工業炉のメンテナンスから新製品開発へフィードバックを行い、より良い設備の研究や開発に積極的に取り組んでいます。
コンパクトかつ時短・省エネを実現する設計にこだわりながらも、使いやすい設備の開発を日々研究しているエコム。設計、製造、メンテナンスまでワンストップで展開しているからこそ、熱処理炉についての知見が深いのが魅力です。 営業の社員も修理・点検・メンテナンスができるというのもポイントのひとつと言えるでしょう。
トップページでは、日本工業炉協会の正会員の中でも、サポート体制が整っており、省エネ事業を行っている熱処理炉メーカー3選を掲載しています。失敗しないためのメーカー選びの参考にしてください。
メーカー選びに困らない!
信頼できる熱処理炉メーカー3選を
チェック

| 種類 | 炉名 | 温度 | 加熱方法 | 焼鈍炉・焼成炉 | 自動搬送機付き高温バッチ炉 | MAX500℃ | 電気ヒータ(60kw) | 
|---|---|---|---|
| 連続式 熱風循環焼成炉 | MAX400℃ | ガスバーナ 232kW ×2台 | |
| 台車式焼きバメ焼鈍炉 | 150~450℃ | 電気ヒータ | |
| 脱臭装置付きバッチ式焼成炉 | 200℃~390℃(炉内) | LPG(116kw) | |
| 小型熱処理炉 | MAX700℃ | 電気ヒータ(40kw) | |
| 台車式焼鈍炉 | 950℃ | LPG(1,860kw) | |
| 台車式焼鈍炉(10t)+省エネバーナ(エコネクスト) | MAX1,000℃ | LNG(1,200kw) | |
| アルミ熱処理炉 | エレベータ式T6熱処理装置 | 530℃ | ガスバーナ | 
| アルミT6熱処理炉 | 550℃ | 電気ヒータ | |
| チェーン搬送式 アルミ部品T6熱処理炉 | 480℃(MAX:530℃) | LPG(24,000kcal/m3) | |
| 連続式アルミT5熱処理炉 | MAX:230℃ | 電気ヒータ | |
| アルミT5熱処理炉 | MAX:250℃ | ガスバーナ50,000kcal/h(LPG) | |
| ハイブリッド熱処理炉 | 熱風550℃ | 電気ヒータ(20kW)/ガスバーナ(60kW) | 
高速熱風循環炉は、高速で熱風を循環させることで、対象物を効率的かつ均一に加熱することを特徴とする工業炉です。炉内の熱風を強力なファンで高速に循環させることで、ワーク(被加熱物)への熱伝達効率を高めます。これにより、従来の炉に比べて大幅な昇温時間の短縮が可能です。また、高速な熱風が炉内全体に均一に行き渡るため、ワークのどの部分でも温度ムラが少なく、非常に高い温度均一性を実現します。
遠赤外線加熱炉(連続式)は、遠赤外線を熱源として利用し、ワーク(被加熱物)をコンベアなどで連続的に搬送しながら加熱処理を行う工業炉です。遠赤外線は、物質の分子を直接振動させることで発熱させるため、ワークの表面だけでなく、内部からも均一に加熱することができます。内部からの均一な加熱により、表面と内部の温度差が小さく、温度ムラが発生しにくくなります。
台車式電気炉は、ワーク(被加熱物)を載せた台車を炉の中に引き込んだり、引き出したりして加熱処理を行う電気炉です。主にバッチ式の炉として、様々な産業分野で利用されています。炉の底が台車になっているため、クレーンなどを使って大型のワークや重量のあるワークを台車に載せ、そのまま炉に搬入・搬出することが容易です。
過熱蒸気発生装置は、ボイラーなどで発生させた飽和蒸気をさらに加熱し、飽和温度以上の高温の過熱蒸気(または過熱水蒸気)を生成する装置です。熱風加熱は主に対流伝熱を利用しますが、過熱蒸気はこれに加えて凝縮熱と放射熱も利用します。また、過熱蒸気は水を加熱して得られるため、空気(酸素)をほとんど含みません。そのため、極めて低酸素な雰囲気下での加熱が可能となり、酸化しやすい製品の変質を防いだり、発火しやすい製品の火災リスクを低減したりするメリットがあります。
遠中赤外線加熱炉(バッチ式)は、遠赤外線と中赤外線の両方の波長領域の熱を利用し、ワークをロット単位で加熱処理を行う工業炉です。特に、連続処理が難しい多品種少量生産や、特定のワークの特性に合わせた詳細な加熱条件設定が必要な場合に有効です。
コンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉は、従来の熱処理炉が抱える課題(大型化による多品種少量生産や生産量変動への対応の難しさ、省エネ性能の限界など)を解決するために開発されました。温度制御を高精度に行うことに優れている電気ヒーターと高出力で急速に加熱できるガスバーナーを組み合わせることで熱処理の工程(昇温、均熱、冷却など)やワークの特性に応じて熱源を選択・切り替えることが可能となっています。
コンパクトT6熱処理装置は、アルミニウム合金のT6熱処理という強度と硬度を高める重要なプロセスを、省スペースかつ高効率で行うことに特化した装置です。この装置は、溶体化処理と人工時効処理の2つを効率的に実行します。
エコネクストは、熱交換器をバーナー本体に内蔵または一体化することで、燃焼排ガスが持つ熱(排熱)を回収し、燃焼用空気を予熱する特徴があります。これにより、投入する燃料(ガス)の量を大幅に削減できます。
エコネクストTFDは、一般的なエコネクストバーナーが排熱を回収して燃焼用空気を予熱するのに対し、エコネクストTFDは高速熱風循環炉の特性に合わせて、より効率的な省エネと性能向上を目指した製品です。高速熱風循環炉は、炉内の熱風を高速で循環させることでワークを効率的に加熱します。エコネクストTFDは、この高速循環する熱風の排熱を効果的に回収するように設計されています。
エコネクスト-NはNOx(窒素酸化物)排出量を大幅に削減できる特徴があります。炉内1,000℃時でNOxを10ppm(3%O₂換算)まで削減できます。これは、日本のNOx排出基準を大きく下回る水準であり、環境に優しい仕組みとなっています。
リジェネバーナ(蓄熱式省エネバーナ)は、産業用加熱炉の省エネルギー化と高効率化を実現する画期的な燃焼システムです。燃焼排ガスが持つ膨大な熱エネルギーを「蓄熱体」に回収し、その熱を利用して燃焼用空気を予熱する特徴があります。また、交互燃焼と熱回収のサイクルを数十秒から数分間隔で繰り返すことで、炉から排出される熱を再利用し、燃焼効率を劇的に向上させます。
ミテルネは、産業用加熱炉の遠隔監視・サポートシステムです。主な特徴は、炉の運転状況(温度、圧力、流量など)や、バーナーの稼働状況といった様々なデータをリアルタイムで収集し、収集したデータを蓄積・分析し、グラフや表形式で分かりやすく「見える化」します。また、インターネットを介して離れた場所からでも監視することが可能です。これにより、炉に異常が発生した場合や、設定したしきい値を超えた場合に、自動でメールなどの方法で担当者へアラートを通知、迅速な対応ができます。
| 会社名 | 株式会社 エコム | 
|---|---|
| 創業年月日 | 1985年8月17日 | 
| 本社所在地 | 静岡県浜松市浜北区平口5277-1 | 
| 営業時間 | 記載なし | 
| 電話番号 | 053-585-6661 | 
| URL | https://ecom-jp.co.jp/ | 
「日本工業炉協会」の正会員である工業炉メーカー112社のうち、熱処理炉を扱う62社を調査。
その中から、自動車業界、半導体業界、航空宇宙業界に必要な熱処理方法からメーカーを分類し、各社の熱処理炉の強みや特徴を紹介します。熱処理炉に求める効果から、自社に適した熱処理炉を選んでください。


