熱処理炉による自動車部品の製造について
自動車部品は、さまざまな使用環境に耐えうる強度が必要です。使用する部品の強度を上げるため、多くの自動車部品は熱処理されています。この記事では、熱処理炉で生産される自動車部品の事例についてまとめました。
多くの自動車部品には、高い耐摩耗性・耐疲労性が必要です。ボディ、ギア、エンジン、トランスミッションなど数多くの部品が熱処理をされています。
一般熱処理（熱入れ、焼戻し、焼ならし）や表面熱処理（浸炭、窒化、高周波）といった加工まで対応し、自動車部品の熱処理は高度な技術が必要です。
自動車部品の製造に活用される熱処理炉の事例
中外炉工業株式会社の熱処理炉
連続ガス浸炭炉やシャフト型連続粉体焼成炉など、熱処理に関するさまざまなソリューションを提供している中外炉工業株式会社の熱処理炉は、焼きなまし炉のラジアントチューブ燃焼排ガスにより、Nガスの生成を可能にしています。省エネ設計かつ大量生産・多品種少量生産にも対応し、使い勝手のよさが魅力です。
大量生産をはじめ、多品種少量生産にも対応する柔軟性も魅力です。
大同特殊鋼株式会社の連続式真空焼鈍炉
大同特殊鋼株式会社による、自動車部品の熱処理に対応した熱処理炉は、電気のみで稼働、化石燃料を必要としません。CO2の排出量と雰囲気ガスの使用量はどちらもゼロで、自動車部品を熱処理できます。地球の環境問題を懸念する声が年々高まっていく昨今において、時代に合った仕様といえるでしょう。
自動車部品以外にも熱処理炉の基礎知識をチェックしよう
ボディ、ギア、エンジン、トランスミッションなど、自動車部品には高い耐摩耗性や耐疲労性が求められ、そこで解決策になるのが熱処理です。ただし、自動車部品の熱処理には高度な設備・技術が必要で、熱処理炉も自動車部品に対応している必要があります。
最近では、大量生産可能な熱処理炉や、化石燃料を使用せず電力のみで稼働する熱処理炉も登場しており、目的や用途に合った製品を選べます。
当サイトでは、熱処理炉の基本的な事柄や注意したいリスクアセスメント、温度管理や火災事例などを取り上げています。以下のページも導入前の参考にしてください。
おすすめの熱処理炉メーカー3選
「日本工業炉協会」の正会員である工業炉メーカー112社のうち、熱処理炉を扱う62社を調査。
その中から、自動車業界、半導体業界、航空宇宙業界に必要な熱処理方法からメーカーを分類し、各社の熱処理炉の強みや特徴を紹介します。熱処理炉に求める効果から、自社に適した熱処理炉を選んでください。
耐摩耗性や耐疲労性を
高めたいなら
（https://pnk.co.jp/）
特化した炉を扱う
- 合金鋼やステンレスの窒化技術において特許を取得(※1)しており、耐食性を落とさずに耐疲労性や耐摩耗性を高める熱処理炉がある
- 60年にわたる表面熱処理の経験を基に、省エネと高精度を追求した独自技術の開発を通じて品質向上を支援
- 真空浸炭炉「ICBP NANO」
- 雰囲気制御式ガス窒化炉PCGNe
の軽さと高強度を
両立させたいなら
（https://www.h-techno.com/）
特化した炉を扱う
- 最大85℃の高水温で水冷することでアルミニウムやマグネシウムの歪みを減らしながら強度を高める熱処理が可能
- 冷却水を常にクリーンに保つことで不純物の付着を低減でき、素材本来の特性を保持しつつ品質の高い製品づくりに貢献
- アルミニウム、マグネシウムのT6熱処理炉
- アルミニウム、マグネシウムの連続T6熱処理炉
高温強度や耐食性を
高めたいなら
（https://www.daido.co.jp/）
特化した炉を扱う
- 航空宇宙業界などで使われる非鉄系金属に対して2000℃レベルの高温での真空熱処理ができる熱処理炉がある
- 独自の研究や開発を行っており、高温化で利用される金属に対する知見があることから高温強度や耐食性を高めるための技術提供ができる
- ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH
- 急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN