メーカー選びにはもう困らない!【熱処理炉図鑑】 » 熱処理炉を交換する前に知っておきたい基本情報 » 窒化処理について

窒化処理について

ここでは、機械部品などの製作に広く用いられる窒化処理について、用途や仕組み、種類を解説します。

目次

窒化処理とは?

窒化処理は、鉄鋼などの製品の表面に窒素を浸透させ、そのまま硬化させる方法です。表面に窒素を浸透させて加熱すると、窒素原子が内部に浸透していきます。低温で処理できることから変形も少なく、金属の特性が向上します。

窒化処理の用途

窒化処理は、金属の表面に窒素を添加して耐久性・耐腐食性を向上させる方法です。耐久性・耐腐食性が求められるものに行われる処理のため、自動車のエンジンや車体の部品、医療機器や半導体部品の製造に利用されています。

仕組み

窒化処理の仕組みは、はじめに製品を炉の中に入れ、アンモニアガスのように窒素を含んでいる雰囲気の中で加熱します。製品の表面に窒素が広がり、加熱によって窒素原子が内部へ拡散・浸透します。鉄鋼製品の場合、アンモニアガス雰囲気中で加熱することで、鉄‐窒素化合物層が形成され、製品の表面から内部へ窒素が浸透する仕組みです。

種類

窒化処理の方法と特性は、次のとおりです。

窒化処理に使われる窒化炉について以下のページで紹介していますので、併せて参考にしてください。

窒化炉についてチェック

窒化処理のメリット・デメリット

メリット

窒化処理は表面処理の一種です。熱処理によって素材の機能性が向上するだけではなく、表面処理によって新たな特性を付加できます。窒化処理のメリットは次のとおりです。

デメリット

窒化処理は専用の設備や技術を必要とし、導入にかかる初期費用やランニングコストがデメリットになる可能性があります。処理後、不要になった窒化層を除去する際に再度加工をしなければならない場合もあります。窒化処理では後処理も含めたプロセスが重要です。

窒化処理以外にも熱処理炉の基礎知識をチェックしよう

窒化処理は鋼材などの金属を摩耗や衝撃に強くするための処理方法で、部品の長寿命化にも貢献します。コストがかかる点や後処理の手間が負担になりますが、元の素材よりも過酷な環境への耐性がつくため、多くの産業分野で導入されている技術です。

当サイトでは、熱処理炉の基礎知識やメーカー、省エネ対策について紹介しています。「あわせてよく読まれている記事」もぜひ参考にしてください。

熱処理炉に求める効果から選ぶ
おすすめの熱処理炉メーカー3選

「日本工業炉協会」の正会員である工業炉メーカー112社のうち、熱処理炉を扱う62社を調査。
その中から、自動車業界、半導体業界、航空宇宙業界に必要な熱処理方法からメーカーを分類し、各社の熱処理炉の強みや特徴を紹介します。熱処理炉に求める効果から、自社に適した熱処理炉を選んでください。

合金鋼やステンレスなどの
耐摩耗性や耐疲労性
高めたいなら
パーカー熱処理工業
パーカー熱処理工業公式HP
※画像引用元:パーカー熱処理工業公式HP
(https://pnk.co.jp/)
おすすめの理由
表面熱処理に
特化した炉を扱う
  • 合金鋼やステンレスの窒化技術において特許を取得(※1)しており、耐食性を落とさずに耐疲労性や耐摩耗性を高める熱処理炉がある
  • 60年にわたる表面熱処理の経験を基に、省エネと高精度を追求した独自技術の開発を通じて品質向上を支援
表面処理ができる熱処理炉例
  • 真空浸炭炉「ICBP NANO」
  • 雰囲気制御式ガス窒化炉PCGNe
など
(※2 ともに省エネ補助金対象)

パーカー熱処理工業の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

電話で問い合わせしてみる

アルミニウムやマグネシウム
鋳物の軽さと高強度
両立させたいなら
北陸テクノ
北陸テクノ公式HP
画像引用元:北陸テクノ公式HP
(https://www.h-techno.com/)
おすすめの理由
アルミ熱処理に
特化した炉を扱う
  • 最大85℃の高水温で水冷することでアルミニウムやマグネシウムの歪みを減らしながら強度を高める熱処理が可能
  • 冷却水を常にクリーンに保つことで不純物の付着を低減でき、素材本来の特性を保持しつつ品質の高い製品づくりに貢献
T6ができる熱処理炉例
  • アルミニウム、マグネシウム鋳物のハイブリッドT6熱処理炉
  • アルミニウム、マグネシウム鋳物の連続T6熱処理炉

北陸テクノの
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

北陸テクノに
電話で問い合わせする

耐熱合金やチタンなどの
高温強度や耐食性
高めたいなら
大同特殊鋼
大同特殊鋼公式HP
画像引用元:大同特殊鋼公式HP
(https://www.daido.co.jp/)
おすすめの理由
耐熱処理に
特化した炉を扱う
  • 航空宇宙業界などで使われる非鉄系金属に対して2000℃レベルの高温での真空熱処理ができる熱処理炉がある
  • 独自の研究や開発を行っており、高温化で利用される金属に対する知見があることから高温強度や耐食性を高めるための技術提供ができる
耐熱処理ができる熱処理炉例
  • ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH
  • 急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN
など

大同特殊鋼の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

大同特殊鋼に
電話で問い合わせする

※1 参照元:特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/?uri=/c1801/PU/JP-2021-120471/11/ja)※2024年11月8日時点
※2 参照元:一般社団法人 環境共創イニシアチブ(https://sii.or.jp/koujou05r/system/search)※2024年11月8日時点
※参照元:日本工業炉協会 正会員一覧(https://www.jifma.or.jp/mem-search/official-lineup/)※2024年11月8日時点
素材特性と
効果で選ぶ
熱処理炉3選