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大同特殊鋼

1916年創業の大同特殊鋼は、長年培った熱技術だけでなく、新しい技術による省エネにつながる独自の熱処理炉の製造など製品の開発にも力を入れています。
このページでは、技術革新に力を入れている大同特殊鋼の熱処理炉の特徴や製品を画像とともに詳しく紹介。会社のサポートやメンテナンス体制についてもまとめています。

大同特殊鋼公式HPキャプチャ
引用元HP:大同特殊鋼公式HP
https://www.daido.co.jp/
目次

大同特殊鋼が手掛ける
熱処理炉の特徴

生産性アップに貢献する
優れた熱処理技術を持つ

ステンレスや高合金、チタン合金など、多彩な素形材製品に対応する大同特殊鋼は、長年の経験で培った高度な熱技術を活用し、さまざまな工業炉を提供しています。

ローラーハース式超高温連続熱処理炉は、最大2000℃の超高温熱処理を実現。これにより、高融点金属の熱処理が可能となり、生産性の向上に大きく貢献します。

特殊鋼メーカーならではの
自動制御処理や急速冷却可能な工業炉

大同特殊鋼が提供する工業炉の中でも、特に人気を集めベストセラーとなっているのがプレミアムSTC炉(第2世代)です。この炉は、温度、時間、雰囲気を最適化することで、高品質な処理を自動で制御できます。

また、急速ガス冷却式真空熱処理炉は、ガス冷却時に最大500kPaGの加圧ガスを循環させる仕組みにより、急速冷却が可能で、鋼材の焼入れにも適しています。

さまざまな顧客対応やサポートを
可能にする国内外のグループ会社

大同特殊鋼はグループ会社も多く、国内33社・海外39社の計72社(2024年3月31日現在)です。その中には、特殊鋼鋼材だけでなく、機能材料・磁性材料や自動車部品・産業機械部品を取り扱っている会社もあります。

設備の保守・点検などのサポートや、さまざまな顧客ニーズの対応は、そうしたグループ力が支えています。

大同特殊鋼の特徴まとめ

大同特殊鋼の強みの一つは、1916年創業で長年の経験で培われてきた幅広い製造技術です。超高温による熱処理ができる技術は生産性アップに大きく貢献します。また、グループ会社も多く、導入する側としてみれば、素材の溶解から鍛造、熱処理、機械加工までの一貫製造体制が組めるということも評価できるポイントです。

こちらのページでは、日本工業炉協会の正会員の中でも、サポート体制が整ったメーカーを厳選し、熱処理炉に求める効果を考慮し、自社に適したものが選べるおすすめのメーカー3社を詳しく紹介しています。メーカー選びの参考にしてください。

メーカー選びに困らない!
信頼できる熱処理炉メーカー3選を
チェック

大同特殊鋼が手掛けている
熱処理炉一覧

大同特殊鋼_熱処理炉例キャプチャ
引用元HP:大同特殊鋼公式HP
https://www.daido.co.jp/products/machinery/lineup/vacuum/sta.html
種類 炉名 温度 加熱方法
電気炉 炉体旋回式電気炉 STARQ - -
スクラップ予熱装置付アーク炉 SPH-markⅡ アーク炉 - -
スクラップ予熱装置付アーク炉 MSP-DCアーク炉/SSP-DCアーク炉 - -
真空脱ガス炉 真空脱ガス装置付取鍋精錬炉 LFV - -
取鍋真空脱ガス装置 VD - -
真空酸素脱炭装置 VOD - -
アルゴン酸素真空精錬炉 VCR - -
RH式真空脱ガス装置 RH - -
ローラーハース式雰囲気熱処理炉 プレミアムSTC炉(第2世代) 常用650~800℃ -
プレミアムSTC炉(第1世代) 常用650~800℃ -
STC炉 常用650~800℃ -
<電池材料用>超低露点雰囲気熱処理炉 最高1,150℃ -
<電磁鋼板用> 連続焼鈍炉 モータコア・トランスコア向け - -
<線材コイル用>連続焼鈍炉 - -
連続式IA・SA兼用炉 - -
真空浸炭炉 モジュールサーモ モジュール式真空浸炭炉 MTF/STF 900~1,050℃
(最高1,100℃)
-
シンクロサーモ スリムバッチ式真空浸炭炉 STA 900~1,050℃
(最高1,100℃)
-
真空熱処理炉 ローラーハース式連続真空熱処理炉 SHR 400~1,200℃
(最高1,250℃)
-
ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH ~1,900℃
(最高2,000℃)
-
噴流ガス冷却式真空熱処理炉 FHS/FHN 500~1,250℃
(最高1,350℃)
-
急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN 500~1,250℃
(最高1,350℃)
-
ガス冷却式真空熱処理炉 PHS 550~1,250℃
(最高1,300℃)
-
ガス冷却式真空熱処理炉 PH2S 550~1,250℃
(最高1,300℃)
-
ガス・油冷却式真空熱処理炉 DH2S 550~1,250℃
(最高1,300℃)
-
ガス冷却式横型真空焼結炉 SHM 550~1,250℃
(最高1,300℃)
-

大同特殊鋼のその他の事業・製品

制御

アーク炉最適電力制御装置 ARMS

アーク炉最適電力制御装置 ARMSは、製鋼用アーク炉の操業を自動化・効率化することで、オペレーターの経験に依存しない安定した生産を実現します。適切な電力制御による生産性の向上や省エネルギー化に加え、操業データの自動記録・分析によって運転条件の改善を継続的に行います。さらに、帳票の自動作成やオンラインでのデータ連携により、管理業務の効率化と設備の安定稼働に貢献します。

溶け落ち判定システム E-adjust

溶け落ち判定システム E-adjust」は、アーク炉の電流高調波と炉内発生音を独自アルゴリズムで解析することで、熟練作業者の経験に頼ることなく、スクラップの適切な溶け落ちタイミングを自動で判定します。このシステムは、電力消費の抑制による省エネ効果や、作業負担の軽減、技術継承の課題解決に貢献するほか、同社のアーク炉最適電力制御装置「ARMS」と連携することで、より高度な自動化を実現します。

精錬

取鍋精錬炉 LF

取鍋精錬炉(LF)は、電気炉などで溶かされた溶鋼を、アーク放電で再加熱しながら、脱硫・脱酸、介在物除去、合金添加による成分調整を行う精錬装置です。これにより、温度を厳密に制御して高品質な鋼材を製造できるため、一次精錬炉の負担を軽減し、製鋼プロセス全体の生産性向上に貢献します。

アルゴン酸素精錬炉 AOD

アルゴン酸素脱炭法(AOD)は、ステンレス鋼の製造に用いられる精錬技術であり、酸素とアルゴンを混合したガスを吹き込むことで、高価なクロムの酸化を抑制しつつ効率的に脱炭を行います。この方法により、脱硫や不純物ガスの除去も可能となり、クロムの歩留まり向上によるコスト削減と、高品質な鋼材の製造を両立させることができます。

集塵設備

ダイオキシン対策集じんシステム

製鋼用電気炉の排ガスを対象に、直引集じんと建屋集じんを組み合わせた2段バグ方式と、急速冷却・低温ろ過制御により、ダイオキシン類を高効率で除去します。操業に合わせた省エネ運転や、スクラップ投入時の粉じんの強力吸引により作業環境の改善にも寄与します。必要に応じて活性炭吹き込み装置(オプション)の追加が可能です。

スカイハウス

電気炉エリアを囲う「スカイハウス」により、スクラップ装入時などの粉じん・白煙・臭気の工場外への漏洩を抑制し、作業環境と周辺環境を改善します。補助吸引により吸引ガスを効率的に捕集し、集じん風量の節減(目安:30〜50%)や騒音低減に貢献します。

環境設備 炭化炉

超高温炭化技術

超高温炭化技術は、有機物を1,000℃以上の超高温で熱分解することで、高純度かつ高い導電性や吸着性能を持つ炭化物を生成する技術です。木材や廃棄物など多様な原料を利用でき、エネルギー、環境、建材など幅広い分野での高付加価値材料の創出に貢献します。

下水汚泥炭化炉

下水汚泥炭化炉は、下水汚泥を炭化処理することで、高発熱量で石炭代替燃料や肥料などに利用可能な炭化物へと資源化する設備です。汚泥の熱分解時に発生するガスを加熱源に再利用するため、省エネルギーで、また温室効果ガスの排出も削減できるため、環境負荷の低減と資源の有効活用に貢献します。

トンネルフィルター

自動車トンネル用自動再生式除じん装置

自動車トンネル用自動再生式除じん装置は、フィルターを自動で洗浄・再生できるため、トンネル内の粉塵を連続してろ過・除去できる換気システムです。フィルターがコンパクトかつ長寿命であるほか、火災発生時には自動で巻き上がって安全性を確保し、経済的な運用が可能となります。

自動車トンネル用電気集じん機

自動車トンネル用電気集じん機は、静電気の力で排ガス中の粉塵を帯電させ、集塵極板に吸着させることで、フィルターでは捕集しにくい微細な粒子を高効率で除去するシステムです。これにより、トンネル内の視界をクリアに保ち安全性を高めるほか、メンテナンスが容易で、周辺環境への汚染も防ぐことができます。

灰溶融システム

アーク式灰溶融システム DAP

アーク式灰溶融システム DAPは、都市ごみ焼却灰をアーク熱で瞬時に溶融することで、容積を減容化し、無害化したスラグを道路の路盤材などに再資源化するシステムです。ごみ発電の電力を利用するため環境負荷が低く、埋立地の延命と資源の有効活用に大きく貢献します。

酸素バーナ火炎式灰溶融システム DOP

酸素バーナ火炎式灰溶融システム DOPは、酸素バーナによる高温の火炎で都市ごみ焼却灰を溶融し、容積を大幅に減らしながら、無害で再利用可能なスラグへと資源化するシステムです。シンプルかつコンパクトな設備で安定した操業が可能であり、最終処分場の延命と資源の有効活用に貢献します。

その他

電気炉ダストリサイクル設備 DSM

電気炉ダストを溶融処理して亜鉛を濃縮した二次ダストとして回収し、亜鉛製錬原料として再資源化します。残渣のスラグは路盤材などへの有効利用が可能です。

高勾配電磁フィルタ DEM

高勾配電磁フィルタ(DEM)は、強力な磁界を発生させたフィルターに液体を通すことで、微弱な磁性を持つ微粒子を高効率に分離・捕集する装置です。メンテナンスが容易で、製鉄所の廃水処理や発電所の復水処理など、幅広い分野で液体中の不純物除去に貢献します。

大同特殊鋼の基本情報

会社名 大同特殊鋼株式会社
創業年月日 1916年8月
本社所在地 愛知県名古屋市東区東桜1-1-10 アーバンネット名古屋ビル
営業時間 9:00〜17:00(土曜、日曜、祝日、年末年始除く) ※電話受付時間
電話番号 052-963-7501
URL https://www.daido.co.jp/
熱処理炉に求める効果から選ぶ
おすすめの熱処理炉メーカー3選

「日本工業炉協会」の正会員である工業炉メーカー112社のうち、熱処理炉を扱う62社を調査。
その中から、自動車業界、半導体業界、航空宇宙業界に必要な熱処理方法からメーカーを分類し、各社の熱処理炉の強みや特徴を紹介します。熱処理炉に求める効果から、自社に適した熱処理炉を選んでください。

合金鋼やステンレスなどの
耐摩耗性や耐疲労性
高めたいなら
パーカー熱処理工業
パーカー熱処理工業公式HP
※画像引用元:パーカー熱処理工業公式HP
(https://pnk.co.jp/)
おすすめの理由
表面熱処理に
特化した炉を扱う
  • 合金鋼やステンレスの窒化技術において特許を取得(※1)しており、耐食性を落とさずに耐疲労性や耐摩耗性を高める熱処理炉がある
  • 60年にわたる表面熱処理の経験を基に、省エネと高精度を追求した独自技術の開発を通じて品質向上を支援
表面処理ができる熱処理炉例
  • 真空浸炭炉「ICBP NANO」
  • 雰囲気制御式ガス窒化炉PCGNe
など
(※2 ともに省エネ補助金対象)

パーカー熱処理工業の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

電話で問い合わせしてみる

アルミニウムやマグネシウム
軽さと高強度
両立させたいなら
北陸テクノ
北陸テクノ公式HP
画像引用元:北陸テクノ公式HP
(https://www.h-techno.com/)
おすすめの理由
アルミ熱処理に
特化した炉を扱う
  • 最大85℃の高水温で水冷することでアルミニウムやマグネシウムの歪みを減らしながら強度を高める熱処理が可能
  • 冷却水を常にクリーンに保つことで不純物の付着を低減でき、素材本来の特性を保持しつつ品質の高い製品づくりに貢献
T6処理ができる熱処理炉例
  • アルミニウム、マグネシウムのT6熱処理炉
  • アルミニウム、マグネシウムの連続T6熱処理炉

北陸テクノの
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

北陸テクノに
電話で問い合わせする

耐熱合金やチタンなどの
高温強度や耐食性
高めたいなら
大同特殊鋼
大同特殊鋼公式HP
画像引用元:大同特殊鋼公式HP
(https://www.daido.co.jp/)
おすすめの理由
耐熱処理に
特化した炉を扱う
  • 航空宇宙業界などで使われる非鉄系金属に対して2000℃レベルの高温での真空熱処理ができる熱処理炉がある
  • 独自の研究や開発を行っており、高温化で利用される金属に対する知見があることから高温強度や耐食性を高めるための技術提供ができる
耐熱処理ができる熱処理炉例
  • ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH
  • 急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN
など

大同特殊鋼の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る

大同特殊鋼に
電話で問い合わせする

※1 参照元:特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/?uri=/c1801/PU/JP-2021-120471/11/ja)※2024年11月8日時点
※2 参照元:一般社団法人 環境共創イニシアチブ(https://sii.or.jp/koujou05r/system/search)※2024年11月8日時点
※参照元:日本工業炉協会 正会員一覧(https://www.jifma.or.jp/mem-search/official-lineup/)※2024年11月8日時点
素材特性と
効果で選ぶ
熱処理炉3選