熱処理炉による太陽光パネルの製造・リサイクルについて
地球にやさしくエコなイメージがある太陽光パネル。しかし、太陽光パネルには寿命があり、2030年頃には大量の廃棄が出るといわれています。この記事では、熱処理炉による太陽光パネルの製造・リサイクルについて紹介します。
熱処理炉が太陽光パネルの製造・リサイクルに活用される方法
太陽光を利用したエコなイメージのある太陽光パネルですが、実は製品寿命が20~30年といわれており、2030年頃に大量の廃棄太陽光パネルが出るという懸念があります。
リサイクルをするためには、フレームとモジュール部分を分ける必要があるのですが、ガラスや樹脂などを引き剥がすのは容易ではありません。
そこでソリューションとして期待されているのが熱処理加工です。熱によって各部品を融解させることで分解するのです。
実際に、一度の熱処理で、ガラス、樹脂、セル、リボンを分離させる技術は、岡山県の新見ソーラーカンパニーや産業技術総合開発機構が開発しています。
ほぼすべての部品がリサイクル可能で、リサイクル材としてソーラーパネル製造に役立ちます。
太陽光パネルの製造・リサイクルに活用される熱処理炉の事例
エーエスジェイ株式会社
エーエスジェイ株式会社の太陽光パネルセル・バックシート専用熱分解炉「ASJ熱分解炉」は、2030年の太陽光パネル廃棄問題解決に貢献できるポテンシャルを持つ熱分解炉です。設定可能温度は200~400度と幅広く、熱分解や脱煙・脱臭装置で環境に配慮している点が特徴。また、加熱方式は電気なので、火を使う熱分解炉に比べて安全でオペレーションしやすいという点も魅力的です。
新見ソーラーカンパニー
太陽光パネルを約95%リサイクルできる熱分解方法を開発した新見ソーラーカンパニー。事前処理、熱分解処理、後処理まですべて1社で完結する、ワンストップで太陽光パネルの熱分解・リサイクルを実現しています。
自然エネルギーの利用がさけばれている昨今、太陽光パネルはますます普及するかもしれません。そんな中、高いリサイクル率でソーラーパネルを熱分解・リサイクルできるのは、非常に環境に配慮しているといえるでしょう。
太陽光パネル以外にも熱処理炉の基礎知識をチェックしよう
きたる2030年の太陽光パネル大量廃棄。これに備え、太陽光パネルのリサイクル技術が進歩しています。
当サイトでは、熱処理炉の基本的な事柄や注意したいリスクアセスメント、温度管理や火災事例などを取り上げています。以下のページも導入前の参考にしてください。
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合金鋼やステンレスなどの
耐摩耗性や耐疲労性を
高めたいなら
パーカー熱処理工業
※画像引用元:パーカー熱処理工業公式HP
(https://pnk.co.jp/)
おすすめの理由
表面熱処理に
特化した炉を扱う
- 合金鋼やステンレスの窒化技術において特許を取得(※1)しており、耐食性を落とさずに耐疲労性や耐摩耗性を高める熱処理炉がある
- 60年にわたる表面熱処理の経験を基に、省エネと高精度を追求した独自技術の開発を通じて品質向上を支援
表面処理ができる熱処理炉例
- 真空浸炭炉「ICBP NANO」
- 雰囲気制御式ガス窒化炉PCGNe
など
(※2 ともに省エネ補助金対象)
パーカー熱処理工業の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
電話で問い合わせしてみる
アルミニウムやマグネシウム
の軽さと高強度を
両立させたいなら
北陸テクノ
画像引用元:北陸テクノ公式HP
(https://www.h-techno.com/)
おすすめの理由
アルミ熱処理に
特化した炉を扱う
- 最大85℃の高水温で水冷することでアルミニウムやマグネシウムの歪みを減らしながら強度を高める熱処理が可能
- 冷却水を常にクリーンに保つことで不純物の付着を低減でき、素材本来の特性を保持しつつ品質の高い製品づくりに貢献
T6処理ができる熱処理炉例
- アルミニウム、マグネシウムのT6熱処理炉
- アルミニウム、マグネシウムの連続T6熱処理炉
北陸テクノの
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
北陸テクノに
電話で問い合わせする
耐熱合金やチタンなどの
高温強度や耐食性を
高めたいなら
大同特殊鋼
画像引用元:大同特殊鋼公式HP
(https://www.daido.co.jp/)
おすすめの理由
耐熱処理に
特化した炉を扱う
- 航空宇宙業界などで使われる非鉄系金属に対して2000℃レベルの高温での真空熱処理ができる熱処理炉がある
- 独自の研究や開発を行っており、高温化で利用される金属に対する知見があることから高温強度や耐食性を高めるための技術提供ができる
耐熱処理ができる熱処理炉例
- ローラーハース式超高温連続熱処理炉 SHRH
- 急速ガス冷却式真空熱処理炉 QHS/QHN
など
大同特殊鋼の
熱処理炉の種類や特徴を
公式HPで詳しく見る
大同特殊鋼に
電話で問い合わせする