熱処理炉を取り扱う現場では、専門的な知識が必要になる場合があります。ここでは、熱処理炉の扱いに活用できる資格について紹介します。
熱処理炉は、金属加工などの現場において熱処理を行うための設備です。熱処理炉の導入や設置、稼働の際に法的資格が求められることはありません。未経験者でも操作できる設備を整えていたり、初心者に対応したマニュアルやノウハウを備えたりしている事業者も多く、資格のない方でも熱処理炉を取り扱うことができます。
一方、熱処理炉の設置には消防署への届出が必要です。総務省消防庁が定める消防法では、火を使用する設備を設置する場所を管轄する消防署に届出を行うものと定められています。
金属熱処理技能士とは、金属加工を専門とする技術者のための国家資格です。資格は2級・1級・特級の順に高くなり、2級は中級技能者、1級は上級技能者、管理者や監督者は特級を有するべきと位置づけられています。
金属を加熱・冷却して硬さを出したり粘り強さを与えたりする作業では、管理者や監督者が専門的な知識をもって業務にあたり、経験の少ない作業者に指導しなければなりません。金属熱処理技能士の試験では知識を問うためのペーパーテストに加えて、要素試験(実技試験)として火花試験や顕微鏡による組織判定、変形測定などを実施します。
資格を取得したあとは専門性をもつ技能士として指導や監督ができるようになり、金属熱処理技能士と称することができます。
金属加工は現代生活になくてはならない作業であり、金属熱処理技能士はものづくりの現場で歓迎される資格です。熱処理は未経験からでも習得できる技術ですが、金属熱処理技能士の資格を取得すれば知識を深めて専門性が身につき、有資格者としてアピールできるようになります。
2級から1級、1級から特級へとスキルアップをしながら管理者や監督者を目指せるため、将来性の高い資格といえるでしょう。
金属を用途に応じて処理する熱処理の作業では、専門資格として金属熱処理技能士の資格が役に立ちます。現場で実務経験を積みながら、有資格者としてもレベルアップすることで、より活躍の場所が広げられます。
当サイトでは、熱処理炉の基本やデジタル化・トラブル事例などを紹介しています。熱処理炉の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
2023年5月末時点「日本工業炉協会」の正会員である企業113社の中から熱処理炉を扱っているメーカー58社を抽出。その中でサポート体制について公式サイトに明記されている25社から、令和4年度「先進的省エネルギー投資促進支援事業」の対象であった3社を掲載。そのうえで、おこないたい処理方法別に分けて、それぞれの企業の強みや特徴を紹介しています。省エネにつながり、長期的に付き合える熱処理炉メーカー選びの参考にしてください。
※選定基準
2023年5月末時点、「日本工業炉協会」(※2)の正会員一覧に掲載されている企業全113社を調査。すべての企業の中で「熱処理炉」を製造しているメーカーは58社ありました(焼入・焼戻炉(真空炉・浸炭炉含む)、焼きなまし炉(焼鈍炉)、焼きならし炉(焼準炉)、窒化炉を「熱処理炉」と定義しました)。
58社のうち、メンテナンスやアフターフォローをおこなっている旨を公式HPに明記していたメーカーは25社でした。さらに、25社の中から令和4年度の「先進的省エネルギー投資促進支援事業」の対象となっているメーカーのみ3社を選出しています。
パーカー熱処理工業…3社の中で扱っている表面熱処理炉の種類が最多。
東洋炉工業…3社の中で唯一、黒化処理炉を扱っている。
大同特殊鋼…3社の中で企業オリジナルの炉の種類が最多。
※1 参照元:省エネルギーセンター「平成29年度省エネ大賞[省エネ事例部門]受賞内容」PDF(https://www.eccj.or.jp/bigaward/winner17/pdf/e1.pdf)
※2 参照元:日本工業炉協会 正会員一覧(https://www.jifma.or.jp/mem-search/official-lineup/)